ビーツパウダーの“効能・効果”は、研究でどこまでわかっている?

この記事の答え
- ●人での研究は、血圧・運動・認知機能・血糖・体組成など、いろいろな分野で行われています
- ●まとまった結果があるのは、血圧(下がる結果)と運動の一部。認知機能と体組成は、「変化なし」のまとめが出ています
- ●どれもビーツジュースや硝酸塩の研究で、パウダーの結果ではありません
01 MAP
ビーツの研究マップ
人での研究のまとめを、分野ごとに並べました。
血圧下がる結果あり22の試験のまとめで、上の血圧 −3.6、下の血圧 −1.3mmHg。14日以上続けた試験ほど、下がり幅が大きい傾向でした
運動場面による持久力の研究が多く、結果は研究ごとに違います。短い全力運動(17研究・319人)では、パワーに差はありませんでした
認知機能・脳の血流変化なし13の試験のまとめで、認知機能に変化なし。脳の血流(9つの試験)も変化なしでした
血糖・インスリン食い違う20の研究のまとめ。血糖が安定する結果もありますが、研究ごとに食い違い、結論は出ていません
体組成変化なし12の試験・500人のまとめで、体重・BMI・体脂肪に変化なしでした
ベタレイン(赤い色素)まだ少ない人での研究は少なく、細胞や動物の研究が中心です。皮のほうが濃く入っています(皮の記事)
認知機能と体組成は、ビーツ以外の硝酸塩サプリも含むまとめです。
02 WHY
研究の中心は、「硝酸塩」
ビーツには硝酸塩が含まれます。研究では、体の中で次のように変わると考えられています。
STEP 1
ビーツ
硝酸塩を含む
→
STEP 2
口の中の細菌
亜硝酸にする
→
STEP 3
一酸化窒素
血管をゆるめる働きがある物質
→
STEP 4
血管
ゆるんで、広がる
03 JUICE
使われたのは「ジュース」
血圧の研究は、ビーツジュース70〜250mLを3〜60日。パウダーの結果ではありません。
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04 NOTE
読むときに
- ●ご紹介した研究は、ビーツジュースや硝酸塩の結果です
- ●食品です。病気の治療や予防のためのものではありません
- ●血圧の薬を飲んでいる方・持病で食事に制限のある方・妊娠授乳中の方は、主治医に相談を
研究メモ(根拠を見る)
- 血圧:ビーツジュースのまとめ(22試験)。上の血圧 −3.55mmHg(95%信頼区間 −4.55〜−2.54)、下 −1.32(−1.97〜−0.68)。14日以上で上の血圧 −5.11、14日未満で −2.67(Bahadoran ほか, Advances in Nutrition, 2017)
- 血圧:高血圧の人のまとめ(7試験・218人)。上の血圧 −4.95mmHg(−8.88〜−1.01)、下の血圧は有意差なし(Benjamim ほか, Frontiers in Nutrition, 2022)
- 運動:ビーツジュースと持久力のまとめ(23の研究)。多くが硝酸塩6〜8mmolを使い、結果には食い違いもある(Nutrients, 2017, 9(1), 43)
- 運動:短い全力運動(HIIT・SIT)のまとめ(17研究・319人)。平均パワー g=−0.05、最大パワー g=0.08でどちらも有意差なし(Wong ほか, Nutrients, 2021)
- 認知機能・脳の血流:硝酸塩・亜硝酸塩のまとめ(13試験・9試験)。認知機能 SMD +0.06(−0.06〜0.18)、脳の血流も有意差なし(Clifford ほか, Critical Reviews in Food Science and Nutrition, 2019)
- 血糖:ビーツ製品のまとめ(20研究)。研究ごとに結果が食い違い、結論は出ていない(Alhalabi ほか, Current Nutrition Reports, 2024)
- 体組成:ビーツ・硝酸塩のまとめ(12試験・500人)。体重・BMI・体脂肪に有意差なし(Afrisham ほか, British Journal of Nutrition, 2023)
- ベタレイン:研究のまとめ。人での研究は限られ、多くは細胞・動物(Foods, 2024, 13(23), 3909)
- mgの換算:論文のmmol値は、硝酸1mmol=62mgで計算(当方)。
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